十一月十三日(火)

ここでほらいちばん大きなバスドラムふたつ叩こうドンドンドン あ

「ひらがなの海に、漢字がぽつりぽつりと浮いている」くらいの文章が、いちばん読みやすい。というようなことを、小説家の村田喜代子さんが言っていた。ためになる話だし、なにより伝え方がうまい。

「ひらがなばかりだと読み辛いので、ときおり漢字を混ぜましょう。かといって、漢字ばかりでは窮屈なので、ときには意識的にひらがなを入れましょう」みたいな決まりきった文句は、たまに耳にする。でも、そんな言い方をしても誰も聞いてくれないし、もし運良く優しい人がやってきて、丁寧に耳を傾けてくれても、イメージが伝わらないまま終わってしまう(そっちの方がずっと悲しいと思う)。やっぱり、ひらがなの海に、漢字を浮かべなければならないのだ。

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