十一月九日(金)

大切に育てたわが子がニルバーナ「アデナイアール、アデナイアール」

ヤスダくんだったらどうするだろう、と思うことが、いまでもある。

ヤスダくんは中学のころの友人で、とても優しい人だった。子どものころというのは、優しさが強すぎる人というのは、あまり人気者にはなれない。優しさはあまり目立たないし、周囲の乱暴者から攻撃される危険もある。まあ、大人でもそうかもしれないけれど、やはり多少の毒やトゲがある態度のほうが、モテたり、話題の中心になれたりするものだ。

ぼくにも、モテたりウケたりしたいという願望がある。つまり、優しさよりも「ふざけ」や「からかい」で立ち回りたい、という誘惑が、たまにやってくる。そういうとき、ヤスダくんのことを思い出して、「ヤスダくんだったらどうするだろう?」と、彼の優しさに聞いてみる。優しさにはそういうパワーがある。

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