人間は、がんばらない理由を探すのがうまい。勉強しない理由、はたらかない理由、などなど。人間は賢いから、いくらでも理由を探すことができる。秋にどんぐりを拾わない理由を探すのがうまいリスは、たぶんあんまりいない。それは彼らが勤勉だからというより、単にどんぐりを探すこと以外、何も思いつかないからだと思う。そこが人間とはちがう。
人間に話を戻すけれど、親から「勉強しろ」と言われても、「大学に行くイコール幸せではない」とか、「どうせ数学なんて使わない」とか考える。上司に「これやっといて」と言われても、「こんな仕事になんの意味もない」とか「三年で辞めるし」とか考えて、手を抜いた仕事をしがちだ。ぼくだけかもしれないけど。
たとえばソフトバンクの孫さんなんて、頭がいいから、がんばらない理由だって人の10倍くらいは見つけられるはずだ。でも彼はがんばっている。人の10倍くらいはがんばっているように見える。なぜか。本人に聞いたわけではないけど、がんばらない理由を探すのが、性に合わないのだろう。がんばらない理由を10個探して快適に生きるより、がんばり続けていばらの道を生きる。ここはまあ、お好みで、ということだと思う。
