ニュージーランドでテロがあった。こういうときに、「人種差別や排他主義はよくないことだけど、現実問題としてテロは起きる。だから、移民規制に賛成」という人がいる。話は変わって、どこかの医学部が男性の合格点を低くして、受験者を性別で差別していたときに、「男女差別はよくないことだけど、現実問題として女性はすぐ辞める。だから、男性のみの加点に賛成」という人もいる。
この手の現実主義者たちは、与えられた枠組みのなかで、できるかぎり柔軟に物事に対処しようとしているのだと思う。「全体の利益よりも、自分たちの利益を優先するのか」と問うことはできても、「はいそうです、世の中とはそういうものです」と答えられたら、ぼくたちは返す言葉を見つけられない。出るのはため息ばかりだよネ!