十月二十一日(日)

「地球上すべての冷蔵庫の音が岩にしみ入る」ネオ松尾芭蕉

先日、歯の治療をしたのですが、昼の二時から夜の七時まで、五時間かかりました。終わったとき、もうヘトヘトすぎてよく覚えていなかったのですが、流れとしては(タルいんで読み飛ばしてください)前回の根管治療のあとに付けていた仮の歯を削り取って、もとの歯を削って小さく成形して、歯茎を切って、もういちど仮の歯を付けて、噛み合わせを確認して、仮の歯を何度も削ってサイズを合わせて、仮の歯を外して、歯の根元の型を取って、最後にまた当面の生活のための仮の歯を付けて、何度も削って修正して、というようなことをやっているうちに、五時間が経ったようです。途中で四回ほどレントゲンを撮り、何度か麻酔を追加して、トイレにも二、三回行った気がします。

で、なにが言いたいかって、とにかく先生がすごいんですよ。ぼくは基本寝てるだけですけど、先生はひたすら窮屈な口の中を覗き込んで、金属の棒をゴリゴリ動かしたり、ものすごく小さなナイフで歯茎を切ったりしているのです。その人、五十歳くらいの華奢な女性だったんですけど、どこにそんなエネルギーがあるのか、まじで驚愕しました。お会計の七万五千円にも驚愕したけど、そのくらい取ってしかるべきだな、とも思ったよ。

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