九月十五日(土)

痛いので右手を上げて知らせれば 右手に握る眼鏡かなしき

歯医者に行った。左下の親知らずを抜くためだ。眼鏡をどこに置いたらいいのか分からなかったので、右手に持っていた。治療のあいだ、緊張と恐怖で、思わず拳を握りしめていたらしい。終わったあとに眼鏡をかけてみると、軸がちょっと傾いていた。しばらく頭痛があったけれど、歯痛のせいなのか、歪んだ眼鏡のせいなのか分からなかった。

二ヶ月後、今度は右下の親知らずを抜いた。前回の反省をふまえて、移動式のライトの、伸び縮みするアームの上に眼鏡を置いてみた。治療が終わると、眼鏡は消えていた。困惑していると、なぜか受付で眼鏡を返却された。たぶん、治療のさまたげになったのだろう。申し訳なかった。

ちなみに、どなたかバンコクで親知らずを抜きたい人がいたら、安くていい歯医者さんを紹介します。ベストな眼鏡の置き場所を探してみてください。

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