九月二十九日(土)

ヘアゴムが千円札と交換される ただゴムからなるヘアゴムである

和菓子屋でアルバイトをしていたときの話です。夏の期間限定商品に、ゼリーが出てきたことがありました。そのゼリーは、ただ水を固めただけの無色無臭のゼリーと、納豆についているタレみたいなパッケージのフルーツソースが別になっていて、買ったお客さんが自分でその二つを混ぜて食べるのです。お値段は二百五十円くらいでした。

で、全然売れなかったのですね。どうしてかな、と考えたときに、「ゼリーの魔法が解けてしまっているんだ」という結論に至りました。基本的に、ゼリーは材料が安そうだな、というのは安易に想像がつきます。こんなこと言うと『たらみ』に怒られそうだけど、水とゼラチンと果汁があれば、とりあえずおいしく食べられるゼリーはできそうじゃないですか。商品としてのゼリーを作って売るときには、お客さんから「ゼリーは水とゼラチンと果汁を混ぜただけ」という事実を忘れさせることが、大切だと思うのです。お客さんは「ゼリーの魔法」にお金を払っているのですね。

こんなことをだらだらと書きながらたらみのホームページ見てたんですけど、新商品の『とろける味わい シリーズ 杏仁豆腐パイン』がめちゃくちゃ美味しそうです。

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